心筋梗塞【しんきんこうそく】は、心臓を動かす心筋に血液が届かなくなって、激しい胸の痛みなどに襲われる病気です。 類似した病気の狭心症【きょうしんしょう】と合わせ、虚血性心臓疾患と呼ばれます。「 虚血性」とは「血液が足りない」という意味です。虚血性心疾患(2)心筋梗塞
このかたまり(血栓)が血管を完全に塞いでしまうと、その先の心臓の筋肉には酸素が届かず細胞が死んでしまいます。 これを心筋梗塞といいます。 いったん死んでしまった心筋は元には戻りません。心筋の壊死が発生してから時間が経過した場合には慢性心筋梗塞(陳旧性心筋梗塞)ということもあります。 急に発症する場合には、胸痛を伴い非常に重篤感を伴うことが多いです。 発症48時間以内のものが急性心筋梗塞とされ、特に注意が必要です。
心筋梗塞の前触れってどんな感じ?心筋梗塞の前兆として、以下の症状がみられます。 心臓以外に感じる痛みを放散痛といい、左腕から左肩への放散が典型的ですが、右腕や右肩、両肩、あごなど上半身に痛みが現れることもあります。 心筋梗塞を起こした患者の約半数は突然発症しているため、前兆がすべての患者に起こるとは限りません。
心筋梗塞の前触れは?
心筋梗塞発症前にあった前兆の自覚症状
- 胸痛、胸の圧迫やしめつけ感
- 胸焼け
- 腕・肩・歯・あごの痛み
- 痛みが数分程度で治まる
- 胸痛などの症状を繰り返す
- 階段や坂道を上る時に症状を起こしやすい
心筋梗塞を呼ぶ要因としては、高血圧、肥満、糖尿病、高脂血症(コレステロール値や中性脂肪値が高い状態)、高尿酸血症(尿酸血が高い状態)、ストレス、喫煙、家族歴などがあります。
心筋梗塞になったらいつまで安静にしていればいいですか?
以前は心筋梗塞になると、最低3週間以上の安静臥床が必要とされていましたが、その後の研究や医学の発展によりその安静期間は大きく短縮され、現在では合併症のない場合では、発症当日か、もしくは翌日から座ったり、自分で食事を取ったりするようになり、4~5日で、病室内をゆっくりと歩くことを行うようになっています。
実は心筋梗塞は「治らない病気」なのです。 胸の痛みや息苦しさは、迅速な治療により改善しますが、心筋梗塞は本来「心臓の筋肉が壊死する病気」ですので、死んでしまった心筋は再生されないからです。
急性心筋梗塞はどのくらいの期間で完治しますか?
急性心筋梗塞などの緊急症例では7〜10日、予定された治療なら通常3〜4日で退院できる狭心症・心筋梗塞の前兆(初期症状)について
その痛みの特徴は胸の中央部から裏側に重圧感、圧迫感、絞扼感や痛みを生じ、時々左の腕の内側に放散する痛みがあります。 まれに首や顎にも放散する場合があるので注意を要します。 ニトログリセリンは狭心症の場合は効きますが、心筋梗塞になるとなかなか効果はありません。心筋梗塞の兆候として、狭心症での症状と同様に胸の中央部が締めつけられる症状が最も多く見られます。 また、左胸部、喉、下顎、胸背部(肩甲骨下部)、肩、前額(こめかみ)、後頭部、心窩部(みぞおち)に痛みを感じる場合もあります。
- 毎日忙しい生活である。
- 時間に追われている。
- 何ごとにも競争してしまう。
- ちょっとしたことでも怒りやすい。
- 仕事や行動に自信がある。
- 何ごとにも熱中しやすい。
- 何ごとでもきちんと片付けないと気がすまない。
- 緊張したりイライラしやすい。
心筋梗塞の原因はストレスですか?心筋梗塞とストレス 心筋梗塞は、ストレスが大きな危険因子になるといわれています。 ストレスを感じると脳は活性化されるため、セロトニンのような神経伝達物質が増えます。 セロトニンを過剰に増やしてしまうと血管を詰まらせる血栓をつくりやすくなるため、狭心症や心筋梗塞の危険性が増えてしまいます。
心筋梗塞になったらいつから運転できますか?仕事に意欲と情熱があれば、復帰できる場合も
職種 | 復帰時期 | 行動等の目安 |
---|---|---|
デスクワーク | 退院後約1ヵ月 | 日常生活が楽にこなせる。 |
営業 | 退院後2ヵ月~3ヵ月 | 車の運転が難なくできる。 |
肉体労働 | 退院後半年~1年 | 手術をした場合、胸骨が完全に治癒してから。(運動負荷試験で心機能を検査することも必要) |
心筋梗塞後の生活で運動はしていいですか?
主治医からは、退院後1ヶ月ぐらいは過激な運動や重労働は避けること、その後2ヶ月ぐらいは無理をしないこと、心臓に負担になることはしない(重いものを持つ、長時間同じ仕事をするなど)などと言われています。
平均すると、高パフォーマンス病院で治療を受けた患者の余命は、低パフォーマンス病院で治療を受けた患者に比べ、混在症例でみた場合は0.74~1.14年長かった。 なお、入院30日時点で生存していた患者のみについて比較すると、病院のパフォーマンスに応じた患者の余命には、ほとんど有意差はみられなかった。通常、入院期間は3〜4日、急性心筋梗塞の場合は平均7〜10日が目安です。 治療にかかる費用は、高額療養費制度の負担軽減措置がありますので、3万5,400円から25万2,600円(保険適用で平均9万円程度)です。心筋梗塞を発症しやすい人の特徴
- 高血圧 血圧が高い状態は血管を傷つけ、動脈硬化を進行させやすくなると考えられています。
- 脂質異常症 以前は高脂血症と呼ばれていた病気で、コレステロールや中性脂肪などの血中脂質が高くなる病気です。
- 糖尿病
- 喫煙
- 肥満
- 遺伝